2015年度関東地区応急手当講習会

研修会場

講習会会場

下記の日程で関東地区の応急手当講習会が開催されました。
4/20(月) 11:00~17:00 PUMP1 参加人数39人
4/21(火) 10:00~16:00 ストーンマジック 参加人数20人
講師 阿野先生

午前は外傷そのものと、外傷者者発生時の対応方法等について講義がありました。
外傷と障害と傷害の違いについての説明から始まりました。
これらの区別がなされていないことから生じる誤解が非常に多く、大変重要な概念であることが示されました。

講義風景

講義風景

次に救急搬送の方法 (119番要請)について、非常に具体的な説明がありました。救急車到着までの対応方法や、消防本部や救急隊員との連携、警察への対応等、外傷者発生時に即時応用可能で重要な内容でした。

続けて頭部、頚部外傷について、脳の構成や仕組み、頭部強打時の対応など、日頃はあまり意識することが少ない事項の詳細な説明がありました。

講義する阿野先生

講義する阿野先生

開放性骨折(複雑骨折)、大量出血について説明が続きました。特に出血時の血液の危険性=感染の危険の説明が強調され、ホールドなどに付着した血液なども危険であり、次亜塩素酸を用いた消毒が必要であることなどが示されました。

加えて「怪我」全般の説明と対応方法、注意点について以下のような外傷の種類別に説明がなされました。

  • 皮下骨折(単純骨折)
  • 脱臼、亜脱臼、打撲、捻挫(これらを明確に区別することが必要で、それぞれの処置方法が異なる)
  • 熱中症(水分不足や脱水状態の検知と回避が重要)
  • その他外傷全般に対する処置の際の注意点

また、応急手当で重要な「RICE処置」における注意点の説明がありました。アイシングの主な目的は痛みを和らげることにあり、氷は溶け始めた氷を使用すること(冷凍庫から出したばかりの氷では凍傷を招く)などの説明はとても興味深いものでした。また、「圧迫」処置について、受傷時に即時かつ一時的に行うことは回復に対して非常に有効であるものの、間違えた方法での長時間に及ぶ圧迫処置は逆に危険であることも実際の診療時の写真などを用いた実践的な説明がありました。

続けて、患部固定の重要性とその注意点の説明がなされ、固定する場合は受傷時の状態で固定することが原則であること等の注意がありました。

講義の最後に、ボルダリングの際のジャンプの仕方についてもお話しがあり、回転しながらの着地は非常に危険で、ボルダー壁に腹部を向けた体制で、両足でマットに着地することを指導するように強調されました。

前半の講義は短時間でしたが、重要な内容がぎしっり詰まった密度の濃い時間になり、参加者は真剣に集中して講義を受講していました。

 

後半は講習会の主題である、外傷時の患部の固定の手技に関する実技、実演が行われました。

フリーバンテージ

フリーバンテージ

フリーバンテージを用いた患部の固定方法について、参加者全員が実際に手技を行う非常に実践的な内容でした。
以下の手技を中心に、講師の手本を見た後に、参加者同士でペアを組み、実際にお互いの患部を固定する実技を行いました。

  • フリーバンテージを用いた足首の固定
  • フリーバンテージを用いた膝の固定
  • フリーバンテージを用いた下腿の固定
  • フリーバンテージを用いた手首固定の実演
  • 肋骨骨折時のフリーバンテージを用いた処置(バストバンド)の説明と実演
  • シーネを用いた下腿の固定の実演

足首の固定

足首の固定

膝の固定

膝の固定

また、出血時の止血方法の説明があり、直接圧迫止血が基本になることが強調されました。
さらに、すべての手技を左手、右手を問わず両手でできるようになることが理想とのことでした。
その外傷の発生頻度と講習会の時間の都合から、実演のみの手技もありましたが、全員が実際に実施して、各手技を体得していました。

ポンプ式(空気)の足首固定具の紹介、実演も行われ、その手軽さと有用性が示されました。

後半の実技では、フリーバンテージの基本的な使用方法から応用まで、ほとんどの時間が実技にあてられました
参加者は実際の救護さながらに真剣に手技の習得に励んでいました。

最後に講習内容に関する質疑応答が行われました。 さらにクライマーとしての個人的質問に関する質疑応答も行われ、実際に自身の傷害についての具体的な質問がなされ、より身近で実践的な対応について個別に回答がなされました。

(この記事の写真は4/20(月)の講習時に撮影)